事故のヘリ2機、衝突防止のアラート鳴らず 情報共有リンク切断か

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 伊豆諸島東方の太平洋で海上自衛隊の哨戒ヘリコプター2機が墜落した事故で、他機が異常接近したときに衝突の危険を知らせる警報音が、2機とも鳴っていなかったとみられることが、関係者への取材でわかった。夜間訓練中、重要な安全システムのひとつが機能していなかった可能性がある。

 防衛省によると、2機は20日午後10時38分ごろ、「対潜水艦戦」訓練のために海上を飛行中に墜落した。状況から空中衝突した可能性が高く、海自は回収した2機のフライトデータレコーダー(FDR)の解析や、周辺にいた他機、護衛艦の通信記録などの調査を進めている。

 政府関係者によると、これまでの調査では、衝突防止のための警報が作動した記録が2機とも確認できていないという。2機は、共に行動する味方の航空機と互いに位置情報などを共有する「僚機間リンク」というシステムを備え、機体同士が一定距離内に近づくと警報が鳴る仕組みになっているが、護衛艦を発艦後に、リンクがつながっていなかった可能性もあるという。

 僚機間リンクは、捕捉した目…

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    藤田直央
    (朝日新聞編集委員=政治、外交、憲法)
    2024年4月23日7時19分 投稿
    【視点】

    驚く記事です。敵への対処に必要なデータリンクは、味方の位置を知るためにも必要です。夜間で接近する可能性のある訓練に臨むヘリ同士にとって、それに基づく警報音は命綱のようなものでしょう。鳴っていなかったとしたら、問題は機体か、運用か、複合的なも

    …続きを読む