イスラエルのイラン攻撃、「沈黙」続ける両国 緊張激化避ける狙いか

有料記事イスラエル・パレスチナ問題

テヘラン=佐藤達弥 エルサレム=高久潤
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 イスラエルが19日にイランを攻撃したと報じられたことについて、両国の高官らは「沈黙」を守っている。攻撃の規模は限定的とみられ、互いの非難を避けることで、一定の緊張緩和を図る狙いがあるとみられる。

 「作戦は、イスラム共和国(イラン)の体制と軍隊の能力を証明した」。19日、イランの首都テヘラン近郊のセムナン州で演説したライシ大統領はこう強調した。イランが13日夜から14日にかけて実行したイスラエルへのミサイルなどによる初めての直接攻撃のことだが、イランが受けた攻撃には触れなかった。

 イランのアブドラヒアン外相も、19日の米NBCテレビのインタビューで、イスラエルが攻撃したとは明言しなかった。この日の攻撃について「子どもが遊ぶおもちゃのようなものだ」とし、「イスラエルが我が国の利益に反する新たな冒険主義をとらない限り、我々は新たに反応することはない」と強調した。

 緊張が激化した直接の引き金は、今月1日にシリアのイラン大使館がイスラエルによるとみられる空爆を受け、革命防衛隊の准将ら7人が死亡した事件だ。外交施設を攻撃されるのは初めてで、報復に踏み切った。

対イラン強硬派のネタニヤフ氏が

 イランは、報復攻撃について…

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    小熊英二
    (歴史社会学者)
    2024年4月21日23時35分 投稿
    【視点】

    お互いに国内向けアピールで止めたいのだろう。しかし独裁政権や右派政権が国内のナショナリズムを煽って支持を得てきた国は、攻撃的世論に引きずられて外交的配慮がマヒすることも多い。それは、戦前日本をはじめとした歴史的事例からもいえる。

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