「南海トラフよぎった」「一番揺れた」深夜の震度6弱に広がった不安

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 17日午後11時14分ごろ、豊後水道を震源とする地震があり、愛媛県高知県で最大震度6弱を観測した。住民らは「今まで生きてきたなかで一番揺れた」と振り返り、商品が倒れたコンビニでは店員が片付けに追われた。

 震度6弱を観測した愛媛県愛南町。同町御荘平城にあるコンビニ「ローソン御荘大橋店」の男性店員(28)は地震発生時、店内で洗い物をしていた。「今までに感じたことのないような大きな揺れ」を感じ、とっさに水道を止め、揚げ物の油の電源を切ったという。

 店内は地震の影響でワイン5本が棚から落ちて瓶が割れたほか、カップ麺やスナック菓子などが床に散乱した。「1人で仕事をしているので、片付けが大変」と話した。

 同町中泊で大下民宿を営む吉田由紀子さん(51)は、2階自宅部分の台所で揺れを感じ、とっさに食器棚をおさえた。「ぐらぐらっと来たので、あれっと思ったら、横揺れが10~15秒ほど続いた」

 2階で寝ていた夫や娘、犬も無事だった。敷地横の道路で水道管が破裂し、水があふれているという。「津波の心配はないと聞いて安心した。海端なので、もし津波が来たら大事になる」と話した。

 同じく震度6弱を観測した高知県宿毛市にある飲食店の男性従業員(23)は閉店作業中に揺れを感じた。「いきなりドンと揺れがきて、その後は歩けないほどだった」。当時、店内に客は1人いたが、けがはなかった。厨房(ちゅうぼう)の食器が大きく横に揺れ、数枚が落ちたという。「昨年も震度4の地震があったが、それに比べてもっと大きかった。能登半島地震もあったので身構えてしまいます」

 同市橋上町に住む三代木幸治さん(57)は、自宅で風呂から出たところ、地震が起きたという。地鳴りの後に大きな縦揺れが約1分間続き、「人生で経験した中で過去一番の揺れ。南海トラフ地震が頭によぎった」と振り返った。

 地震発生から1時間経っても断続的に地鳴りの音が聞こえ、小さな揺れが続いているという。「この後、どうなるのか。もっと大きな地震が来るのではないかと不安だ」と話した。

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