直接攻撃で崩れた「暗黙の前提」 イスラエルの「反撃」のかたちは

有料記事イスラエル・パレスチナ問題

エルサレム=高久潤 ワシントン=下司佳代子
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 イランの革命防衛隊の司令官らをターゲットにしたシリアのイラン大使館への攻撃の報復として、350以上の無人機や弾道ミサイルなどによる直接攻撃を受けたイスラエル。「敵国」イランからの初めての直接攻撃に対するさらなる「反撃」のかたちは、どうなるのか。

 敵国イランからの直接攻撃に対して、イスラエルは高性能の防空システムや米国などとの連携で迎撃し、被害を最小限に抑えられたことを強調した。

 「とりわけこの数週間は、イランの直接攻撃に備えてきた」。ネタニヤフ首相は13日夜、ビデオ声明で十分な対策を打ってきたことを強調した。

 実際、シリアにあるイラン大使館が空爆された直後の4日には軍のすべての戦闘部隊の休暇を一時的に停止すると発表。同時に、イランからの報復攻撃を想定して商都テルアビブでGPS(全地球測位システム)を妨害する措置をとるなどの対策を打ち出していた。

 イスラエルとイランは長年「影の戦争」を続けてきた。イスラエルが、革命防衛隊の幹部や核開発などに関わっているとみる科学者の暗殺を展開。一方のイランはパレスチナ自治区ガザを実効支配するイスラム組織ハマスや、レバノンのイスラム教シーア派組織ヒズボラなどを後押しして、イスラエルの安全保障を脅かしてきた。

 ただ、互いに直接的に事を構えるのは避けてきた。地域全体に紛争が拡大しないようにするためだ。

 イランによる直接攻撃で、こ…

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