第6回大学の自治、「もはや存在していない」の声 法人化時は尊重されたが

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増谷文生

 国立大学が法人化されて、この春で20年。この間の政策や環境変化は、大学にどのような影響を与えたのか――。朝日新聞社は1~2月、学長と教職員に対し、この20年を振り返るアンケートを実施した。自由記述欄も含めた37問に、学長は全86大学の92%に当たる79人が回答。教職員は全国大学高専教職員組合の協力を得て実施し、407人から回答を得た。それぞれの回答を元に、国立大の置かれた現状を考える。

 「もはや存在していない」「崩壊の一途だ」

 アンケートに答えた教職員などから、そんな指摘を受けたワードがある。

 「大学の自治」だ。

 国立大は04年に法人化される際、当初は、独立行政法人と同じ形に変える議論もあった。だが、憲法で保障されている「学問の自由」や「大学の自治」を守ることができるように、独自の国立大学法人という形になった経緯がある。

 だが、人文科学系の教授は「…

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この記事を書いた人
増谷文生
論説委員|教育担当
専門・関心分野
教育(主に大学)、運輸