第7回国立大の予算配分、「議論しなければ」 文科省高等教育局長に聞く

有料記事国立大の悲鳴 法人化20年

聞き手・山本知佳 増谷文生
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 2004年に国立大学が法人化して、4月で20年。大学行政を担う文部科学省高等教育局の池田貴城(たかくに)局長に、20年の政策の成果と朝日新聞が行ったアンケート結果について聞いた。

朝日新聞社は1~2月、学長と教職員に対し、この20年を振り返るアンケートを実施した。自由記述欄も含めた37問に、学長は全86大学の92%に当たる79人が回答。教職員は全国大学高専教職員組合の協力を得て実施し、407人から回答を得た。

 ――文科省として、法人化してからの20年を振り返り、良かった点と改善が必要だと考える点は何か。

 良かった点は、組織面や人事面、財務管理面などで自由度が上がったことだ。国の一機関だった時代は、学部や学科の改組やポストの新設などをする際、省令の改正や省庁間での調整が必要だった。社会の変化があっても大学が迅速に対応することが難しかった。

 企業との受託研究や共同研究、寄付が相当増えている点も良かった点だ。大学と社会の関わりが密接になって、活動範囲も広がった。

 一方、法人化しても自由度が…

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    鳥海不二夫
    (東京大学大学院教授)
    2024年4月16日6時30分 投稿
    【提案】

    国立大学が法人化したことについては、良かった面と悪かった面の双方があり、総括することは大切であるという点は押さえた上で、やはり予算という観点からいえばなかなか厳しい状況です。 運営費交付金だけでは研究を賄うのは難しく、外部資金の調達が教員に

    …続きを読む