「最強」と愛されるローカル線 震災乗り越えた「いい電」100年

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滝口信之
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 「いい電」の愛称で親しまれる「福島交通飯坂線」(福島―飯坂温泉)が13日、開業100年を迎える。東日本大震災では直後に運行を再開し、大雨や雪にも強い。地元で「いい電最強」と称される鉄道は、果樹園や温泉が点在する全長9・2キロの沿線を、来る日も、来る日も、客を乗せて走り続けてきた。

 「いい電の愛称で呼ばれる 全国的にはマイナーでも、この街ではメジャーなヒーロー」

 こんな歌い出しから始まる「Familiar Train」。福島交通飯坂線公認の応援ソングだ。作詞作曲したのは沿線で育ったシンガー・ソングライターのMANAMIさん(31)。

 物心ついた頃から飯坂線の警笛や踏切の音があるのが日常だった。幼い頃から、福島の中心部に出るときに利用してきた。「『いい電』は家族のような存在」と話す。

記事の後半では、MANAMIさんが感じる飯坂線の魅力や、飯坂線の歴史、開業100年を記念したイベントを紹介します。

 歌うのが好きで、高校1年生から音楽活動を始めた。下校後、飯坂線で福島駅に向かい、路上や、ライブハウスで演奏した。

 2012年に歌手を目指し上京した。東京で満員電車や複雑な乗り換えを経験するうちに、「飯坂線が恋しくなった」と振り返る。活動に見切りをつけ、14年に地元へ戻った。

歌詞に盛り込んだ飯坂線の「日常」

 「震災からの復興の力になれ…

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