「支払い心配ない」誇った水原氏 信用額上げ続け、損失61億円

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ニューヨーク=中井大助
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 大谷翔平選手の通訳だった水原一平容疑者=銀行詐欺容疑で訴追=がスポーツ賭博に関与していたことは、違法胴元をめぐる米当局の捜査で浮上した。米連邦検察が11日、裁判所に提出した資料では、賭けが約2年で約1万9千回にも及び、水原容疑者が数億円単位で負けながら、胴元に何度も「信用額」を上げてもらっていた経緯が明らかにされた。

 検察側によると、カリフォルニア州を本拠地とした組織的な違法スポーツ賭博は数年前から捜査対象となってきた。2023年10月には、胴元の1人の自宅などを捜索し、携帯電話の通話記録なども押収。通話記録の中に水原容疑者とのやり取りが含まれており、賭博を繰り返していたことが分かったという。

 裁判所に提出された資料によると、水原容疑者は21年9月8日ごろ、胴元側から「アカウントナンバー」と、インターネットを使って賭けるためのパスワードが割り当てられたという。すぐに負け始めたとみられ、10月終わりごろには胴元側から「清算をしたい」という趣旨の連絡があった。水原容疑者は当初、送金できずに苦労していたが、11月半ばに約4万ドル(約610万円)が送金された。これが、大谷選手の口座からの初めての送金だったとみられる。

 ただ、その後も水原容疑者は負け続けた。22年1月には水原容疑者は胴元に「アカウントを再起動できるか? 全て、負けてしまった」とメッセージ。すると胴元側は「5万(ドル)、バンプした(押し上げた)」と返信。検察側によると、「バンプ」は「信用で賭けられる上限額を上げる」を意味する言葉だという。

「これで最後」と言いつつ

 水原容疑者はその後、何度も…

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    田中俊之
    (大妻女子大学准教授 男性学研究者)
    2024年4月12日10時3分 投稿
    【視点】

    本件についてだいぶ詳しい情報が出てきたと思います。読み応えのある記事でした。ただし、憶測に基づく情報がネットではまだたくさん流れています。誰もが気軽に情報発信できる時代においては、自分の見たい、知りたいという願望をおさえないと歪んだ情報に振

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