韓国総選挙、野党大勝見通しの余波 日韓関係めぐり政権揺さぶりも

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ソウル=稲田清英
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 韓国の総選挙が10日に投開票され、韓国メディアによると、最大野党・共に民主党単独過半数を得て大勝する見通しになった。日韓の協力強化を重視する尹錫悦(ユンソンニョル)大統領の方針は一貫しているが、野党の批判は強まるとみられ、政策推進に影を落とす可能性がある。

 2年前に大統領に就いた尹氏は、対北朝鮮での安保協力など日米韓の連携強化を重視し、日韓関係の改善にも力を入れてきた。

 昨年3月には、長く日韓関係の懸案となっていた元徴用工の訴訟をめぐる問題について、韓国政府としての解決策を発表し、日韓関係を改善する流れをつくった。

 敗訴した日本企業の賠償金相当額を韓国政府傘下の財団が代わって支給するという内容で、韓国政府内でも慎重論はあったが「大統領の思い切った決断」(政権幹部)で進められた。解決策の発表後まもなく尹氏は訪日し、岸田文雄首相と会談。首脳間の「シャトル外交」が復活し、安保や経済など幅広い分野で日韓関係は急速に改善へと向かった。

 政権与党の関係者や韓国の政治研究者らの間では、日韓関係を重視する尹氏の姿勢は、総選挙の結果にかかわらず変わらないとの見方が大勢だ。その点では今回の選挙結果がすぐに日韓関係の改善基調を大きく変える可能性は低いとみられる。尹政権幹部の一人は与党惨敗を受けても、「対日政策には変化はない」と話す。

 ただ、共に民主党はかねて尹…

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