SLやまぐち号 GWに2年ぶり運転再開
故障で運休が続いていたJR山口線の観光列車「SLやまぐち号」(新山口―津和野)についてJR西日本は10日、ゴールデンウィーク(GW)の5月3日から、2年ぶりに運転を再開すると発表した。4月22日から発売する。
広島市であった10日の定例記者会見で、蔵原潮・中国統括本部長は「全国的にSL(蒸気機関車)は勇退する方向に来ている。『ようやく帰ってきたな』と、ファンや地域の方々に喜んでもらえると思う」と話した。
SLやまぐち号は、主に「貴婦人」と称されたC57とD51が、観光列車を長年牽引(けんいん)してきた。だが、C57は2020年に部品の不具合が発生し、D51も22年5月3日、石炭や水を積む「炭水車」に亀裂が見つかり、修理のため運休が続いていた。「やまぐち号」はこの間、ディーゼル機関車のDD51とDE10がSLの代役を務めてきた。
一足先に修理を終えたD51は昨夏に試運転を実施。その後の検査を経て、運転再開にこぎ着けた。「年をめしたデゴイチ」(蔵原本部長)の負荷を軽くするため、石炭や水の積載量を減らすことを検討しているという。
運転はGW期間中の5月3~5日のほか、6月を除く11月までの各月の土日・祝日や振り替え休日が中心。1日1往復ですべてD51が走る予定。
下りは午前10時54分に新山口を出発し、午後1時7分の津和野着。上りは午後4時12分津和野発で午後6時に新山口に着く。
券の発売は、5月3~19日分は4月22日午前6時から、5月25日以降分は乗車日1カ月前の午前10時から。JR西日本のインターネット予約システム「e5489」や駅のみどりの窓口、みどりの券売機で買える。
料金は、これまで530円だった指定席が再開後は1680円に、グリーン料金は50キロまで780円、100キロまで千円だったところが一律で2500円と値上げになる。
蔵原本部長は「2年の運休で山口出身として寂しい、つらい思いをしていた。何とかGWに間に合わせたかった。沿線から手を振って頂く光景が見られるとうれしい」と話した。
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