衆院島根1区、長崎3区、東京15区の補欠選挙が16日告示され、立候補の届け出が始まった。28日に投開票される。

　東京15区と長崎3区は「政治とカネ」の問題をめぐる自民党現職の議員辞職に伴う選挙で、自民はいずれも公認候補を擁立できず、二つの「不戦敗」が確定した。島根1区は自民現職の死去に伴う選挙で、事実上の与野党一騎打ちとなる見込みだ。

　今回補選は、自民派閥の政治資金パーティー収入をめぐる裏金事件で議員らが立件されてから、初の国政選挙となった。

　自民は唯一擁立した島根1区で、裏金事件への対応などを問われることになる。仮に敗れて「3戦全敗」となることがあれば、岸田文雄首相は政権運営が一層厳しくなり、衆院解散や今秋の自民総裁選に向けた戦略にも影響を与える可能性がある。

　野党も、立憲民主党と日本維新の会が東京15区と長崎3区で争うなどし、次期衆院選に向けた野党各党間の関係にも影響を及ぼす補選となりそうだ。

14:50

自民・青木氏、派閥の裏金事件めぐり「まずおわび」

　島根1区では、自民党の青木一彦参院議員が島根県雲南市加茂町の赤川だんだん広場で、集まった約80人の支持者らを前に同党新顔の錦織功政氏（55）への支持を訴えた。

　青木氏は派閥の裏金事件について「まずおわびを申し上げないといけない。必ず改革を進め、もう二度と政治とカネの問題が起こらないようにする」と話した。その上で「厳しい選挙戦だが、争点は一つだ。誰がふるさとの将来を託せる候補なのか、考えてほしい」と呼びかけた。

13:30

自民・茂木氏「日本の未来を託すことができるのは自民だけ」

　自民党の茂木敏充幹事長は、公認候補を擁立した島根１区について「経済を再生し、島根、日本の未来を託すことができるのは自民党しかないということを示していきたい」との談話を発表した。

　自民は３補選のうち、東京15区と長崎３区での擁立を見送り、島根１区にのみ公認候補として元中国財務局長で新顔の錦織功政氏（55）＝公明党推薦＝を立てている。茂木氏は「選挙戦を通じて住民の声にしっかりと耳を傾け、物価高、人口減少、厳しさを増す安全保障環境など、内外の課題解決に向けた前向きな政策を訴えていく」ともコメントした。

12:45

立憲・福山氏「島根1区は古い政治と新しい政治の一騎打ち」

　島根1区では、立憲前職の亀井亜紀子氏（58）の応援に入った福山哲郎参院議員が島根県庁前でマイクを握った。「島根1区は古い政治と新しい政治の一騎打ち。ここで負けたら島根の人は岸田政権も裏金も許すのか、と思われる。亀井さんを勝たせることで、岸田内閣はおかしいという声を、島根の人にあげてほしい」と呼びかけた。

11:50

小池・東京都知事「有権者にとって大満足な人材だ」

　東京15区（江東区）補選の応援に小池百合子・東京都知事が駆けつけ、「誰ひとり取り残さない社会を作っていくためにも、国会で頑張っていただきたい」と支援する無所属新顔の乙武洋匡氏（48）=国民民主党と地域政党「都民ファーストの会」推薦=への支持を訴えた。

　乙武氏は、都民ファを事実上率いる小池氏が擁立を主導した。小池氏は亀戸駅前での演説で、乙武氏の著書「五体不満足」を引き合いに出し、「本人は『五体不満足』だが、有権者、納税者にとっては大満足な人材だ」と語った。国民民主の玉木雄一郎代表も駆けつけた。

　同補選は、ほかに、NHKから国民を守る党の新顔・福永活也氏（43）、参政党の新顔・吉川里奈氏（36）、無所属前職の秋元司氏（52）、日本維新の会の新顔・金沢結衣氏（33）=教育無償化を実現する会推薦=、政治団体「つばさの党」の新顔・根本良輔氏（29）、立憲民主党の新顔・酒井菜摘氏（37）、政治団体「日本保守党」の新顔・飯山陽（あかり）氏（48）、無所属新顔の須藤元気氏（46）が立候補を届け出た。

11:00

「『政治と金』に自民がどういう姿勢を見せるか焦点」　補選めぐり公明・山口氏

　公明党の山口那津男代表は記者会見で、自民党の政治資金パーティーをめぐる問題を念頭に、「『政治とお金』にどう政治が向き合うか、とりわけ自民党がどういう姿勢を見せるか焦点になる」と語った。再発防止策に向けた政治資金規正法改正の与党協議が始まることにも言及し、選挙戦では「改正を進めていく与党の姿勢がどこまで国民に受け入れられるか。また国民が実際にどういうところを期待しているか。そういうところを見る補欠選挙になる」と述べた。

　自民党が公認候補を唯一擁立し、公明が推薦を出した島根1区については「議席を確保できるように最大限の努力をする。戦うことが重要だ」と述べた。

10:50

長崎3区　維新・井上氏が第一声

　衆院長崎3区補選に日本維新の会から立候補した井上翔一朗氏（40）は、長崎県佐世保市のJR早岐（はいき）駅前で、街頭演説した。井上氏は選挙カーの上でマイクを握り、「政治を変えなくてはならない。改革を実行する日本維新の会という選択肢を長崎のみなさんにお示ししたい」と訴えた。

　応援に駆けつけた党政調会長の音喜多駿参院議員（東京選挙区）は「利権誘導型の政治を今こそおしまいにしないといけない。それができる唯一の改革政党が日本維新の会だ」と支持を呼びかけた。

10:40

「政治改革に白黒つける大事な選挙だ」　立憲・泉健太代表

　立憲民主党の泉健太代表は、東京15区の豊洲駅近くで、候補者の応援演説をした。泉氏は、自民党派閥の裏金事件に触れ「自民党に任せていて政治改革が今国会で進むと思いますか。政治改革に白黒はっきりつける。そういう大事な選挙だ」と訴えた。

　東京15区は自民の候補者がいない中、野党候補ら9人が立候補しており、泉氏は「乱立といってもいい地域になっている。有名人を選ぶ戦いではない」と強調。地域政党「都民ファーストの会」特別顧問の小池百合子・東京都知事が候補者擁立に動いたことを受け、泉氏は「与党か野党かはっきりしないようでは国会に行ってどんな立場になるんですか」と訴えた。

10:30

自民・梶山幹事長代行、2補選の不戦敗に「候補者立てるのが本来の姿」

　自民党の梶山弘志幹事長代行は、衆院3補選のうち、公認候補を唯一擁立した島根1区について「政治の信頼回復に向けた取り組みや、岸田政権の経済再生の具体策をしっかり伝えていく」と述べた。党役員連絡会後の記者会見で、質問に答えた。

　自民は「政治とカネ」の問題が直撃し、東京15区と長崎3区で候補者擁立を断念。異例となる2選挙区での「不戦敗」に、梶山氏は「政権与党として一つ一つの補選に候補者を立てていく姿が本来の姿かもしれない」と述べ、自民が置かれた状況の厳しさをにじませた。

　島根1区補選では、自民は元中国財務局長で新顔の錦織功政氏（55）=公明党推薦=を、立憲民主党が前職の亀井亜紀子氏（58）を立て、事実上の一騎打ちとなる。

10:30

自民・渡海政調会長「党の命運をかけた選挙」

　自民党の渡海紀三朗政調会長は党政調審議会で、衆院島根１区の補選について「党の命運をかけた選挙だと考えるべきだ」と語った。渡海氏は「全力をあげてこの戦いに臨まなきゃいけない。ぜひ、時間をかけていただいて、島根県の選挙にご協力をいただければありがたい」とも述べ、出席議員に支援を呼びかけた。

10:10

「岸田さんのやったことが正しいのかどうか」　維新・馬場代表

　東京15区で、維新新顔の金沢結衣氏（33）の出陣式に馬場伸幸代表らが訪れた。

　馬場氏は、自民党岸田派がパーティー収入を政治資金収支報告書に記載していなかったと指摘。「この選挙戦で、岸田さんのやったことが正しいのかどうか、国民の皆さんが判断する絶好のチャンスが訪れた」と語った。

10:10

長崎3区、谷川氏の元事務所前で立憲が出陣式

　長崎3区補選は、自民党安倍派の裏金事件で、谷川弥一氏=自民を離党=が辞職したことに伴う。

　立憲民主党の山田勝彦氏の出陣式は、JR大村駅の近くの交差点で開かれた。くしくも谷川氏の事務所が入居していたビルの目の前だった。

　事務所はすでに閉鎖されており、山田陣営は「意図した会場選びではない」と説明している。

09:45

林官房長官「選挙を通じた国民の意見に耳傾ける」

　林芳正官房長官は記者会見で、「民主主義の根幹である選挙は、国民の意見を聞く貴重な機会だ」と語った。衆院3補選は自民党派閥の裏金事件が表面化してから初の国政選挙となる。林氏は「政府としても選挙を通じた国民の意見にしっかりと耳を傾け、今後の政権運営に生かしていきたい」と述べた。

09:35

島根1区　自民・錦織氏が第一声

　島根1区では、自民新顔で元財務官僚の錦織功政氏（55）が島根県庁前で出陣式を行った。

　錦織氏は「今回の選挙は大変厳しいと肌で感じている。それでも立候補したのは、ふるさと島根のため」と呼びかけた。

　応援にかけつけた小渕優子選挙対策委員長は派閥の裏金事件に触れ、「自民党は変わらなければならない。襟を正し、国民から信頼していただけるよう、政治改革を進める」と訴えた。

09:30

東京15区の自民支持者「自民がいないから何もしてない。寂しい」

　東京15区補選の選挙区となっている東京都東部の江東区は、昔ながらの下町地域も広がる。その一つ、区東部の町会の会長を務める80代の男性は、これまで自民系の地元政治家を支持してきた。しかし、選挙違反事件による自民議員の辞職に伴う選挙となった今回、自民は候補を立てなかった。

　男性は、これまで、選挙では告示日に自民候補のポスターを貼るボランティアをしてきた。しかし、この日は在宅したまま。「自民党がいないから何もしていない。初めて。寂しい」

　区外居住の候補も多い選挙となり、「『（議席が）空いたから出よう』と飛び込んできている」と感じるという。「失礼と思わないのか」と憤る一方、「（自民は）金銭トラブルが多すぎる。人気がない」とため息をつく。

　区内の下町地域では、町会あげて自民議員を支持するところも少なくないという。「近所の町会長と話したが、みんな（補選に）興味を持っていない。投票には行くけど白紙で出す」と話す。

09:30

島根1区　立憲・亀井氏が第一声

　島根1区では、立憲前職の亀井亜紀子氏（58）がJR松江駅前で第一声を上げた。亀井氏は同区が今回の３補選で唯一、与野党一騎打ちとなっている構図や自民党の裏金問題に言及し、「全国の有権者が怒りに燃えながら、投票できない。自民王国を崩すことで、日本の政治を変えよう」と訴えた。福山哲郎参院議員とともに応援に立った辻元清美代表代行は「各地では今回の補選で自民党や岸田政権を評価できて、うらやましいという声を聞く。ぜひ、議席を獲得してほしい」と激励した。

09:30

長崎3区　立憲・山田氏が第一声

　長崎3区補選に立候補した立憲民主党の山田勝彦氏（44）は、長崎県大村市のJR大村駅前で出陣式を開いた。山田氏は第一声で、「真の政治改革を進めるには政権交代が必要。そのための大きなうねりを長崎から起こしましょう」と語った。

　応援に駆けつけた大串博志・党選挙対策委員長は、「自民党は利権があるところの声しか聞かない。声を上げられるのは3補選がある場所のみなさんだ」と、集まった支援者に訴えた。

09:25

東京15区補選　国政初挑戦の日本保守党が第一声

　東京15区補選（東京都江東区）では、国政選挙に初めて候補を立てた政治団体「日本保守党」のメンバーらが参加し、第一声をあげた。

　新顔候補らが同区内の富岡八幡宮に参拝。午前9時25分から鳥居前で演説した。Ｘ（旧ツイッター）などＳＮＳでの呼びかけもあり、多くの支持者らが詰めかけた。

　同党代表の百田尚樹氏は「4月28日に選ばれるのはたったの1議席ですが、日本を変える1議席やと思います。今日が日本を取り返した日だったと、5年後、10年後に皆さんは自覚するはずです」と呼びかけた。

09:00

東京15区補選　9人が届け出　自民は独自候補擁立を見送り

　衆院東京15区補選（東京都江東区）には、新顔8人と前職1人の計9人が届け出た。

　届け出たのは、NHKから国民を守る党の新顔で弁護士の福永活也氏（43）、無所属新顔で作家の乙武洋匡氏（48）=国民民主党と地域政党・都民ファーストの会推薦=、参政党の新顔で看護師の吉川里奈氏（36）、前自民衆院議員で無所属の秋元司氏（52）、日本維新の会の新顔で元食品会社員の金沢結衣氏（33）=教育無償化を実現する会推薦=、政治団体「つばさの党」の新顔でIT関連会社長の根本良輔氏（29）、立憲民主党の新顔で前江東区議の酒井菜摘氏（37）、政治団体「日本保守党」の新顔で麗沢大客員教授の飯山陽（あかり）氏（48）、前参院議員で無所属の須藤元気氏（46）。

　同補選は、公職選挙法違反の罪で有罪が確定した柿沢未途前法務副大臣=自民離党=の辞職に伴うもの。自民は独自候補の擁立を見送る。

08:30

島根1区補選　自民と立憲の2氏が届け出

　細田博之前衆院議長の死去に伴う島根1区補選は、自民新顔で元中国財務局長の錦織（にしこり）功政（のりまさ）氏（55）=公明推薦=と、立憲前職で党県連代表の亀井亜紀子氏（58）が立候補を届け出た。

08:30

長崎3区補選　2氏が届け出、自民は不戦敗

　衆院議員だった谷川弥一氏（82）=自民党を離党=が安倍派の裏金事件で辞職したことに伴う長崎3区補選は、立憲民主党の前衆院議員=比例九州ブロック=の山田勝彦氏（44）と、日本維新の会が擁立する新顔の井上翔一朗氏（40）の2人が届け出た。自民は候補者の擁立を見送って「不戦敗」を決めている。

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　〈おことわり〉衆院東京15区補選「日本保守党が第一声」の当初配信した記事で、第一声に集まった人数を「約100人」とした箇所を修正しました。