第2回なぜ市民の犠牲が多いのか イスラエル兵に尋ねて浮かんだ「自画像」

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エルサレム=高久潤

 仲間の息づかい、動きに合わせて装備がこすれるかすかな音までもが、夜の静寂の中では際立って響く。

 イスラエル軍(IDF)に予備役で招集されたオムリ・マーラーさん(27)がパレスチナ自治区ガザに入ったのは、昨年10月27日午前2時ごろだった。

 軍が今回のイスラム組織ハマスとの戦闘で、初めてガザに地上部隊を送ったのが、この日だった。オムリさんは、今まで越えたことがなかった分離壁の向こう側へ、足を踏み入れた。

 予備役とはいえ、軍務の経験は豊富な方だという。

 「病院やモスク(礼拝所)、学校などは攻撃しないよう努める」

 「50メートル以内に武器を持った人間がいれば発砲する」

 「200メートル以内に子どもがいれば発砲しない」

軍の「基準」に緩みはないが…

 商都テルアビブ近郊で会ったマーラーさんは、戦地で民間人を巻き込まないようにするためのイスラエル軍の「基準」について、よどみなく、詳細に説明した。

ガザではイスラエル軍の攻撃で多数の民間人が犠牲になっています。なぜ市民を巻き込む事態が起きているのか。ガザから帰還したイスラエル兵5人に聞きました。

 だが、こうも付け加えた。ガ…

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この記事を書いた人
高久潤
エルサレム支局長
専門・関心分野
グローバリゼーション、民主主義、文化、芸術
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    浅倉拓也
    (朝日新聞記者=移民問題)
    2024年4月8日13時19分 投稿
    【視点】

    これだけセンシティブな話を、戦場から帰還したばかりの将兵がみなさん実名で取材に応じ、証言していることが印象的です。自分たちの正当性や努力を訴えているとはいえ、軍や政府による締め付けや圧力はないのだろうか、ネットによる中傷への不安はないのだろ

    …続きを読む
イスラエル・パレスチナ問題

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