日米比首脳、対中で重要鉱物の供給網強化へ 小型原子炉開発も支援

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松山紫乃 高橋杏璃
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 日米比3カ国は、11日に米ワシントンで行う首脳会談で、ニッケルなど重要鉱物のサプライチェーン(供給網)の強化を盛り込んだ共同声明を発表する方針を固めた。複数の日本政府関係者が明らかにした。中国がニッケルの獲得を強化する中、日米は主要生産国のフィリピンとの連携で安定供給の強化を図る。

 岸田文雄首相、バイデン米大統領、フィリピンのマルコス大統領による首脳会談は、3カ国の枠組みとして初めて行われる。東シナ海南シナ海で海洋進出を強める中国への牽制(けんせい)を図るが、共同声明に資源の安定供給への協力を盛り込むことで、経済安全保障の面でも中国による「経済的威圧」への日米比の連携を内外に示す。

 ニッケルは電気自動車(EV)向けの電池などに使われている。EVの普及により不足が懸念されている希少資源で、自動車産業などにとって安定調達が重要な課題となっている。こうした鉱物の採掘場所は主に途上国だが、加工・精錬や製造などの生産拠点は中国に集中している。

 日米は中国への依存度の高さ…

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    鈴木一人
    (東京大学大学院教授・地経学研究所長)
    2024年4月7日2時38分 投稿
    【解説】

    重要鉱物のサプライチェーンを強化するというのは良いのだが、鉱物を採掘するだけでは使い物にはならず、それを精錬する必要がある。問題はその精錬過程で様々な環境汚染が起きることや、精錬工場を作るコストが高く、結果的に中国に精錬過程が集中し、結局、

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