82歳で昨年亡くなった横路孝弘・元衆院議長が、社会党の若手議員だった1972年、沖縄返還をめぐる日米間の密約を追及した舞台裏を語った記録が29日午前、公表された。「佐藤内閣打倒」を掲げての大勝負だったと振り返りつつ、情報源の新聞記者が有罪となった「西山事件」への憤りもあらわにした。
衆院事務局が正副議長経験者の口述記録を残す「オーラルヒストリー事業」の第2弾。九州大学の赤坂幸一教授(憲法)らが2020~22年、弁護士で北海道知事も務めた横路氏の生涯を聞きとった内容が同日、衆院のサイトに載った。
それによると、横路氏は日米両政府が沖縄返還協定に調印した翌日、71年6月18日付の毎日新聞に注目。沖縄戦による米軍占領下で接収された土地の原状回復補償費400万ドルを、協定に反して日本政府が肩代わりする密約が交わされた「疑惑」を報じる署名記事が載っていた。
筆者は外務省担当キャップだった西山太吉氏。かたや横路氏は「社会党のプリンス」として、沖縄返還後も多く残ることになる米軍基地の問題を国会で追及していた。横路氏は西山氏に接触し、「話を聞いてしっかりメモを取らせてもらった。非常に具体的で、誰と誰が会談してどういうことになっていると話してくれた」という。
横路氏はその話をふまえ、7…
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貴重なオーラルヒストリー企画の一部成果。ほかにも「土井たか子が議長になって衆議院に初めて女性専用のトイレができた」「1949年の小学生は半数が靴がなかった」等々、興味深い証言が多い。アクセスして読むべき。 https://www.shugi
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書きました。この件、極秘公電を提供した西山太吉氏は著書などで経緯を述べていますが、提供された横路氏はあまり語っていませんでした。今回公開された口述記録にはそれに加え、議会人であり弁護士であり、故郷で北海道知事も務めた横路氏の様々なエピソード
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