50年前の本に、同じ問題が 繰り返された「高齢単身女性の貧困」
社会部・二階堂友紀
国際女性デーの3月8日朝、この日を象徴するミモザの黄色い花が朝日新聞の題字を彩った。しかし、1面には、その美しさをかき消すような見出しが並んだ。「単身の高齢女性 4割貧困」「20代から男女賃金差」「武器持たぬ女性 いつも犠牲に」。これが私たちの社会の現在地だ。
高齢単身女性の貧困問題を伝える記事を担当した。もともと問題意識を持っていたわけではない。女性デーに向けた企画を考えているとき、偶然知った。
年金は納めた額に応じて給付する仕組みをとる。男女の賃金格差や育児・介護に伴う女性の離職率の高さなど、労働市場のゆがみを考えれば「女性の低年金」は当然の帰結だ。しかも、年金は夫婦世帯を基準に設計されている。日本社会のジェンダー格差が煎じつまった問題――。それなのに全く注目してこなかった自分を恥じた。
驚くほど重なった戦後史
歴史は繰り返されてきた。1…
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