サルとの戦い「怒りだけでは続かない」 京都府で長続きするひけつは

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滝川直広
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 かつてニホンザルは遠い存在だった。それが25年ほど前から目に付くようになり、鍵のかかっていない窓を開けて家に入りこみ、仏壇の供物を取るようになった。農作物もやられた。子どもや高齢者が威嚇された。「これはいかん」。住民が立ち上がり、10年超にわたってサル対策を続けている。長続きのひけつは「楽しみながらやる」ことだという。

 京都府福知山市三和町の川合地区。市の南東部にある中山間地域で川合川沿いに集落が点在する。

 川合ふれあいセンター(同市三和町上川合)には、かわいいサルの看板があった。サルの下には「かわいサルアラート さるの接近をお知らせします!」とある。サルの足の部分には「京丹波町大簾、和知」と書かれた小さな札があった。

 「サルはいま、川合にはいないのです。きょうは京丹波町にいます」。サル対策の中心人物で、川合地域農場づくり協議会代表の土佐祐司さん(70)が解説してくれた。

 続けて見せてもらったのがスマホの通信アプリ「LINE」(ライン)の画面。地図に赤い点があるが、これは発信器を付けたサルの位置。通信技術を利用してサルの位置を伝えるシステム「サルイチ」を利用し、ライングループで共有している。

群れの行動、年単位のサイクルが明らかに

 先ほどのサルの看板は、ライ…

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