フェルメール絵画のじゅうたんが日本に? その歴史と驚きの鑑定結果

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安仁周
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 「お宝」は破格の値段で売りに出されていた。手織りじゅうたんのオンラインショップを営む藪下晶子さん(48)は、オークションサイトに出品されていた古いじゅうたん2枚に目を奪われた。2022年の夏のことだ。

 色使いや粗い織り方に見覚えがあり、貴重なものだと直感した。信じられないような値段で売り出されており、まさかと思いながらもすぐその2枚を購入した。

 じゅうたんが届き、実物を見ながら改めて資料を調べた。この分野に詳しい知人の意見なども聞きながら、およそ300年前のじゅうたんという確信を得た。それだけでも貴重だが、片方のデザインをよく見ているうちにさらに気付きがあった。

 オランダの画家フェルメールの有名な絵画「水差しを持つ女」に描かれているじゅうたんとほとんど細部にわたって同じ図柄なのだ。

 葉っぱの位置やサイズ感、細い額縁のような部分のデザインも、織りが粗くてつぶつぶした感じもよく似ている。絵は1662年ごろに描かれているが、時代的にそう離れているわけでもない。

 「フェルメールの絵とそっくりのじゅうたん……そんなことってある?」

祇園祭の山鉾に飾られるじゅうたんも

 じゅうたん2枚はデザインや…

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    サンキュータツオ
    (漫才師・日本語学者)
    2024年3月28日0時22分 投稿
    【視点】

    とても興味深い記事でした。 フェルメールの絵画に描かれていたあの絨毯がひょんなことから発見され何千万!? みたいな結論でもなかったのにもかかわらず、このように記事にしてくださったことに感謝です。 昔から絨毯に惹かれていた薮下さんが、ネットで

    …続きを読む