第10回だまされた人を「ほめてあげて」 特殊詐欺が「間接的殺人」になる時
記者(28)の祖母(81)が特殊詐欺の被害に遭い、100万円をだましとられました。ショックを受ける祖母に、どんな言葉をかけたら良いのか――。記者や家族は悩みました。
各地の僧侶らでつくるNPO法人「自殺防止ネットワーク 風」には、特殊詐欺の被害者からの相談もあるそうです。篠原鋭一代表(79)は、かけてあげて欲しい言葉があると言います。
NPO法人「自殺防止ネットワーク 風」は、お寺を中心とした国内外52の拠点で、電話相談を受け付けている。各地の相談所の一覧は、ホームページ(https://www.soudannet-kaze.jp/)へ。本部相談所は0476・96・3908
――特殊詐欺に関連した相談はどれくらいありますか?
私のところには、月に1~2件。国内を中心に52の拠点がありますから、同様に他の拠点に来ているとすれば、月に50~100件ほどでしょうか。
――相談の内容にはどんなものがありますか?
「首をくくるのに太い縄をくれないか」とか「亡くなった主人のところに行きたい」だと言った電話から始まります。「ちょっと待ってください、そんなに急ぐことないよ」と言って話を聞くと特殊詐欺でだまされて、家族から責められて居場所をなくしているんですね。
ひどい場合にはこんなことがありました。
孫が店の売り上げを盗んだと電話があって、おじいちゃんが警察官と店長を名乗る2人組に400万円を渡しちゃった。1人は警察官のような服を着て、店長もばっちりスーツを着ている。それに立派な名刺を渡されたらそれでもう信じちゃうわけですよ。
だまされたと分かったら息子たちから激しく責められます。「俺たちの遺産になるはずだったお金を減らした!」。こう言われるわけですね。
私は「いいかげんにしろ」っ…
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- 【視点】
そうですよね。 誰か大切な人のためを思ってだまされたことは、他人が責められるようなことではないはずです。 (ましてや、遺産が減ったからといって、子どもたちからすればもともと自分で稼いだ財産でもあるまいし。) 私も詐欺の被害者から相談を受け
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