FRB、5会合連続で金利据え置き 年内の利下げ想定は3回を維持

ニューヨーク=真海喬生
[PR]

 米国の中央銀行にあたる連邦準備制度理事会(FRB)は20日、5会合連続となる政策金利の据え置きを決めた。前回12月時点で「3回」としていた年内の利下げ見通しも変えなかった。物価が下がりきっていないため、高い政策金利を保って物価高(インフレ)をさらに抑え込むねらいだ。

 FRBは年内に利下げを始める姿勢だが、拙速に行えばインフレを再燃させかねない。パウエル議長は20日の記者会見で、「インフレのリスクには引き続き注意を払っている。適切なら、政策金利をより長く維持する用意がある」と述べた。物価など経済指標の推移を見極め、利下げの時期を慎重に判断する考えだ。

 金利の据え置きは、19、20日に開いた米連邦公開市場委員会(FOMC)で全会一致で決めた。2022年3月~23年7月に行った利上げで、政策金利は01年以来の高水準の5・25~5・50%となっている。

 消費者物価指数(CPI)の上昇率は22年6月に前年同月比9・1%に達したが、利上げなどによって23年6月には3・0%まで低下。だがその後は3%台で推移し、FRBがめざす「2%」にまでは下がっていない。高い賃金上昇が続き、特にサービス価格の上昇率が高止まりしている。失業率が3%台と歴史的な低い水準を保っていることも背景にある。(ニューヨーク=真海喬生)

有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。

【お得なキャンペーン中】有料記事読み放題!スタンダードコースが今なら2カ月間月額100円!詳しくはこちら