日銀転換を経済好調のアピールに 岸田政権、脱アベノミクスに同調

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西村圭史 木村聡史
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 日本銀行は19日、マイナス金利の解除など、11年間に及んだ金融緩和策の転換に踏み切った。日銀の政策転換に岸田文雄政権も同調している。

 2012年末に発足した第2次安倍晋三政権で抜擢(ばってき)された黒田前総裁は、看板政策アベノミクスを「異次元の金融緩和」で支え、政権と日銀の距離の近さは際立っていた。

 一方、岸田政権は水面下で日銀との意思疎通を図っていたものの、「官邸がグリップ(統制)して指示する感じではない」(首相周辺)。政策の方向性は気にしつつ、日銀の独立性を尊重する姿勢をとっている。官邸幹部は「政治日程は気にせず、やるべき政策でやってくれと日銀には言っている。解除のタイミングは任せている」と強調していた。政府側の窓口となる財務省からも政策転換への異論は出ていなかった。

 緩和の影響で歴史的な円安と…

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    藤田直央
    (朝日新聞編集委員=政治、外交、憲法)
    2024年3月20日7時50分 投稿
    【視点】

    首相自身が自分の名をつけて政権と日銀の一体感を演出するという意味でも、アベノミクスは日本の経済政策として異例でした。安倍派は最大派閥の権勢をもって継承を岸田首相に求めていました。  もし安倍元首相が暗殺されなければ、もし裏金問題で安倍派が解

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