「あらゆる場所が発電する都市に」 次世代太陽電池、都庁で検証

太田原奈都乃
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 軽量で生産コストが安い次世代の太陽電池ペロブスカイト太陽電池」の検証が東京都庁で始まった。早期実用化を目指す都が複数の開発企業と検証を続けている。国内発で世界的にも注目度の高い新技術を発信しようと、都は検証の様子を20日から一般公開する。

 ペロブスカイト太陽電池は、主流のシリコン型太陽電池と比べて重量が10分の1ほどで、薄くて曲げられる。壁面などにも設置できるほか、弱い光でも発電でき、消費電力が大きい機器にも活用できる。都は昨年、下水処理施設で国内最大規模の実験も始めた。

 今回はリコーなどとの共同実施。都庁第一本庁舎45階の南展望室で来年4月まで、同社製の電池を用いたCO2濃度などの測定機器を稼働させ、発電性能や耐久性、通信状況などを調べる。都住宅供給公社が提供する板橋区内の高齢者向け住宅でも同様の検証を予定している。

 19日の開始式で、小池百合子知事は「日本が誇る技術をスピード感を持って実装し、あらゆる場所が発電する未来都市を作りたい」と話した。脱炭素社会の実現に向けて国も開発を後押ししている。(太田原奈都乃)

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