新型コロナ対応、教訓を生かして備えを 東京・品川区が報告書を作成

野田枝里子
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 教訓を生かして、次のパンデミックに備える――。東京都品川区は、新型コロナウイルスへの一連の対応を検証し、報告書にまとめた。区は地元の病院や医師会と連携する新たな部署を立ち上げ、健康危機管理体制を強化するという。

 2020年から3年以上にわたるコロナ対応。区は発生初期、「アルファ株・デルタ株」の流行期、「オミクロン株」に置き換わった時期の三つの期間に分けて、約10カ月かけて検証した。

 報告書は、人員不足により業務の多くで対応が遅れたことや、コロナの相談電話が殺到したことで他部署にも影響が及んだと指摘。こうした事態やその原因も含め、「いたる所でアナログだった」としている。

 区内の病院や医師会、高齢者施設への聞き取り調査の内容も盛り込まれた。「保健所の電話がつながらず、報告・相談に苦慮した」「保健所、区役所、各病院それぞれ何をしているのか分からなかった」などといった声があった。

 こうした検証内容を踏まえ、報告書では今後に向けた検討課題を明確にした。

 例えば、電話以外にもメールやチャットを活用するなど業務のデジタル化の推進だ。また、日ごろから病院や医師会などとの情報交換が重要だとして、4月に専門部署を新設するとしている。

 森沢恭子区長は「4年にわたるコロナとの戦いを過去のものにすることなく、次のパンデミックに備えたい。この検証結果を踏まえて、未知なる感染症などから区民の命と健康を守るべく、健康危機管理体制の構築を進めていく」と話す。(野田枝里子)

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