アステラス社員拘束から1年、帰国時狙ったか 日系企業から嘆きの声

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北京=畑宗太郎 西山明宏

 アステラス製薬の男性社員が北京で拘束されて20日で1年。関係者への取材から、拘束の経緯などが徐々に明らかになってきたが、「スパイ容疑」とされる内容は依然として不明だ。日系企業に与えた衝撃の根は深く、今後の人材育成にも影を落としそうだ。

 男性は昨年3月に中国当局に北京で拘束され、当局の施設で「居住監視」のもと取り調べを受け、同10月に正式逮捕された。今月18日には、検察による起訴審査手続きに入ったと日本政府に通知があった。中国の逮捕手続きは「犯罪立証の証拠があり、懲役以上の刑が見込まれる」ことが要件で、起訴、公判と手続きが進めば拘束はさらに長引く恐れが強まる。

 中国側は拘束発覚後に中国外務省の会見で、男性が「スパイ活動に従事した疑いがある」と説明しているが、容疑となる具体的な事実など詳細は明らかにしていない。

経済人がスパイ容疑の捜査対象となったことで、日系企業幹部は若手の意識の変化を指摘しました

拘束数カ月前には…

 これまでの朝日新聞の関係者…

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この記事を書いた人
畑宗太郎
中国総局
専門・関心分野
中国の外交、安全保障、社会、東南アジア情勢