富士山麓のサティアン跡に立つ卒塔婆 慰霊碑に通い続ける住職の祈り

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棟形祐水
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 山梨県旧上九一色村(現・富士河口湖町)のオウム真理教の教団施設「第2サティアン」などの跡地で、卒塔婆(そとば)を立て続ける人がいる。教団が起こした事件の被害者らを供養しようと、教団施設への一斉捜索があった3月22日に合わせて、毎年、現地で祈りを捧げる。

 卒塔婆は故人を供養するための細長い板。第2サティアンなどの跡地に整備された富士ケ嶺公園内の慰霊碑に毎年捧げられる。教団信者のリンチ殺人事件の現場にもなった場所で、犠牲者の霊を慰めるため1998年に慰霊碑が建立された。

 慰霊碑には、事件のことは忘れたいという住民の感情を考慮して「オウム」の文字はない。地元に住む元オウム真理教対策副委員長の竹内精一さん(95)によると、花が供えられることはずっとなく、訪れる人もまばらだという。

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 そんな場所で、卒塔婆を立てるのは、静岡県富士宮市にある日蓮宗の常泉寺の貫名英舜(ぬきなえいしゅん)住職(71)。2000年ごろから、毎年3月22日前後に訪れ、お経をあげる。「オウム真理教に関わった全ての人々に、苦しみを免れてほしい」

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