第6回被爆体験に涙ぬぐうアメリカ人も オッペンハイマーの国に変化の兆し

有料記事Do you know Nagasaki?

寺島笑花
【A Scene】被爆者の話を聞いたアメリカの子どもたちの反応は…。2週間の旅に密着したドキュメンタリーの前編です。

A Scene × Premium A × A stories 「Do you know Nagasaki?」

 原爆投下国である米国で長崎の被爆者らが被爆体験を伝えるキャラバンツアーを終えて約1カ月が経った2023年12月22日。参加したメンバーが集い、長崎市の長崎原爆資料館で報告会を開いた。

 「米国市民が核をなくさなきゃいけないと思っていることが分かった。これが最大の成果だった」。ツアーを発案した被爆者で医師の朝長(ともなが)万左男さん(80)はそう切り出した。

 医師として白血病研究に尽くし、放射線の健康への影響が生涯続くことを明らかにすることで核なき世界に近づけようとしてきた。数多くの国際会議で核廃絶を訴え続けている。

 だが、国際的な枠組みの核軍縮が停滞する中、「外交官ではなく、市民に直接訴えて国を動かすしかない」と考え、ツアーに踏み切った。

 報告会では、ツアーに参加し…

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寺島笑花
ネットワーク報道本部
専門・関心分野
社会福祉、平和
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    三牧聖子
    (同志社大学大学院准教授=米国政治外交)
    2024年4月1日11時13分 投稿
    【視点】

    アメリカでは「オッペンハイマー」への称賛が生まれる一方、核をめぐって無反省で、恐ろしい発言が生まれ続けている。先日も、米下院の共和党議員ウォルバーグが、「ガザを長崎や広島のようにすべきだ。早く終わらせられる」と原爆投下を促すような発言をした

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    宮坂麻子
    (朝日新聞編集委員=教育、子ども)
    2024年4月1日9時5分 投稿
    【視点】

     映画「オッペンハイマー」をみて、ほかの指摘でもあるように、広島や長崎の被爆当時の写真や映像が盛り込まれていないことを残念に感じた。同時に思った。日本の若者や子どもたちは、被爆当時の写真や映像が思い浮かぶだろうかと。コロナ禍に都内の高校で修

    …続きを読む
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