町職員同士の結婚に「退職勧奨」 福井・池田の内規が物議、離職も

小田健司
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 町職員同士が結婚した場合、どちらかに退職を求める福井県池田町役場の内規が、物議を醸している。13日にあった町議会で議員が撤廃を求めたが、町は継続する意向を示した。

 町によると、結婚退職勧奨の内規は1993年に設けられた。町は内規が必要な理由として、人事配置に制約が生まれる▽夫婦が上司部下の関係になった時に監督行為が適切に行われるか疑義が生じる▽個人情報保護守秘義務に基づくリスク管理が甘くなるおそれがある、の3点を挙げる。

 これまで数組に退職勧奨を行い、実際に退職したケースが複数あった。退職したのは、いずれも女性職員だったという。

 職員採用面接では内規について伝えておらず、「今後は事前に説明する」としている。

 溝口淳副町長は取材に対し、職員が退職を拒めば無理強いしておらず、「不利益を被ることはない」と話した。

 内規は2020年の町議会でも議論になった。その際、溝口副町長は内規ができた経緯について「給与水準が高い」公務員のポストに夫婦そろって就くことに町民から「疑問、批判の声があった」と説明していた。

 地方公務員の制度改革などを所管する総務省は「人事にかかわるため、任命権者が判断すること。総務省としてコメントする立場にない」としている。

 池田町は昨年、公式サイトで移住者向けの「暮らしの七か条」を公表。「都会風を吹かさないよう心掛けて」「(周囲から)品定めされることは自然」などの文言が波紋を呼んだ。(小田健司)

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