夫とは恋愛結婚だった。
大学の先輩で、よく私のことを褒めてくれた。自分を特別に感じられるような自信をくれた。物知りで頭がよくてまめまめしくて――。
東京都の女性(52)は交際していたときの夫をそう振り返る。あのころ、夫が「世界は自分を中心に回っていると信じて疑わない人」だなんて、考えもしなかった。
結婚後、年子で子どもが生まれると、子どもたちに生活を乱されることを嫌がった。
子どもの夜泣きに「寝られない!」と吐き捨て、発熱したり、発疹が出たりしても世話をしない。
家事も丸投げ。女性が掃除をする隣で、テレビを見続けた。
それでも、面と向かって夫に「おかしい」とは言えなかった。子育てに手いっぱいだったし、「妻は夫を立てるもの」という親世代からの刷り込みもあったように思う。
子どもたちに両親が口論をする様子を見せるのも嫌だった。優先したのは、いま、この瞬間の夫婦関係が「円満」であること。
幸せになるために、人生をともに歩むと決めたはず。でも、パートナーとの毎日が思い描いたものにならない人もいます。苦しみの原因は、改善策は。たくさんの「ふたりのかたち」を通して考えます。
「男女平等? 現実は違った」
でも、子どもたちが思春期に入るころ考え直した。
言うべきことは言う…
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- 【視点】
この記事の女性は、本当に辛い目にあってきたと思います。突破口がみつかったことはよかったです。しかし、本当の突破口は、「離婚はしない」で根本的には変わらない夫をおだてて遊びだけシェアすることではなく、離婚を選択できることなのだと思います。
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