共同親権で同居親は守られるのか DV法専門家の懸念 識者に聞く

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聞き手=編集委員・大久保真紀

 離婚後も共同親権を選べるようにする民法改正要綱案をまとめた法制審議会(法相の諮問機関)の家族法制部会では、参加委員21人のうち3人が反対を表明しました。そのうちの1人で、家庭内暴力(DV)に詳しいお茶の水女子大学の戒能民江・名誉教授に、約3年にわたった部会の議論を踏まえ、どんな懸念があるのかを聞きました。

 2001年にDV防止法ができ、20年余かけて蓄積してようやく、被害者の安全を守ることができつつあります。それを後戻りさせてしまうような民法改正になってしまわないか、強い懸念をもっています。DV被害者を支援する公的機関にどんな影響を与えるのかも、とても不安です。

 最も危惧するのは、DVや虐待などから同居親と子どもが守られるのか、です。同居親の安心安全は、子どもが安心して暮らせる基盤となるものです。子どもの利益を考えるならば、安心安全をまず第一に考えなくてはならないはずです。

 共同親権の場合でも、単独で…

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この記事を書いた人
大久保真紀
編集委員
専門・関心分野
子ども虐待、性暴力、戦争と平和など