欧州の鉄道に学ぶJR四国 乗り継ぎ便利なダイヤ導入、背景に危機感
JR四国は3月16日のダイヤ改定で、徳島駅に発着する列車に「タクトダイヤ」という耳慣れない運行形態を導入する。列車のダイヤの組み方に工夫を凝らし、鉄道利用者の増加を目指す取り組みで、欧州の事例を手本にしたという。
現地の鉄道を視察した同社の長戸正二専務・鉄道事業本部長(58)にねらいを聞いた。
――「タクト」というのはドイツ語で「指揮棒」の意味だと聞きました
オーケストラが指揮者に従いリズムに合わせて演奏するように、複数の路線の列車の到着・発車時刻を調和させ、乗客が流れるようにスムーズに乗り継ぐ姿をイメージしています。
徳島駅には高徳(高松~徳島)、徳島(佃~佐古)、牟岐(徳島~阿波海南)各線の普通列車と特急列車が乗り入れており、各線では列車を等間隔で運行する「パターンダイヤ」の導入が進んでいます。今回はこれをさらに進化させます。
各路線の到着・発車時刻を同じ時間帯に集中させ、乗り継ぎが便利になるようダイヤを整合します。接続時間はおおむね10~20分となって待ち時間が減ります。
――欧州が発祥とのことですね
欧州では「タクトファープラン」と呼ばれ、1980年代からスイスやオーストリアの拠点駅で始まったとされます。
欧州も日本と同じくクルマ社会ですが、公共交通を再生しようと、先進的な施策を実施しており、その一つです。これによって鉄道利用者が増える効果があったそうです。
四国とスイスの共通点は
私は2017年、ウィーン工…
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