「女性は養われる」社会像が貧困リスクに 識者「賃金格差の解消を」

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二階堂友紀 根岸拓朗

 高齢単身女性の相対的貧困率が4割にのぼっている。一部で深刻さが指摘されていたが、政治的にも社会的にも、光が当たってこなかった。背景をたどると、私たちの日本社会に色濃く残る「ジェンダー格差」の連鎖が浮かび上がる。

 厚生労働省の国民生活基礎調査(2021年分)をもとに、阿部彩・東京都立大教授(貧困・格差論)が集計した相対的貧困率を5歳おきの年齢層別にみるとグラフの動きに、ある特徴が浮かぶ。65歳を超えると、ひらがなの「く」の字を描くように、男女の値が開いていくのだ。その差は70~74歳で3ポイント、75~79歳で8ポイント、80歳以上で11ポイントと大きくなる。

 昨年11月の参院予算委員会で、岸田文雄首相は国民民主党の伊藤孝恵氏からその理由を問われ、「70歳以上になると女性の方が単身になる割合が高いが、女性単身世帯の所得は男性より低い。女性の賃金は相対的に男性より低い傾向にあり、高齢期に低年金になりやすい」と述べた。

「男性中心モデル」の年金、月額23万円

 厚生労働省の2022年の老…

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この記事を書いた人
二階堂友紀
東京社会部
専門・関心分野
人権 LGBTQ 政治と社会
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    小室淑恵
    (株式会社ワーク・ライフバランス社長)
    2024年8月13日17時25分 投稿
    【視点】

    年金の第3号は実は現代では大損な仕組みだ。第3号被保険者(妻が夫の扶養に入り、夫だけが保険料を納め、老後は妻も年金を受け取れる)の仕組みは「お得」だと国民は思わされてきた。ところが、日本のように男女とも高い教育を受けることが出来る国では、妻

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    清川卓史
    (朝日新聞編集委員=社会保障、貧困など)
    2024年3月9日12時0分 投稿
    【視点】

     これまで様々な取材現場で、高齢単身女性の低年金・無年金の深刻な実態を幾度も目の当たりにしてきました。しかし、構造的に貧困を生み出すジェンダー格差の問題について問題意識を持ち、正面から取り上げることはできませんでした。そこに取材者としての私

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Think Gender

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男女格差が主要先進国で最下位の日本。この社会で生きにくさを感じているのは、女性だけではありません。性別に関係なく平等に機会があり、だれもが「ありのままの自分」で生きられる社会をめざして。ジェンダー〈社会的・文化的に作られた性差〉について、一緒に考えませんか。[もっと見る]