国際刑事裁判所、ロシア司令官2人に逮捕状 電力インフラ攻撃めぐり

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ブリュッセル=森岡みづほ

 ロシアによるウクライナ侵攻をめぐり、国際刑事裁判所(ICC、オランダ・ハーグ)は5日、ウクライナの電力インフラに大規模な攻撃を加えた行為に責任があるとして、ロシア軍の司令官2人に戦争犯罪容疑で逮捕状を出したと発表した。さらなる犯罪行為を防ぐために逮捕状の発行を公表したとしている。

 ICCの発表によると、逮捕状が出されたのは、航空宇宙軍のセルゲイ・コビラシュ司令官(58)と、黒海艦隊のビクトル・ソコロフ司令官(61)=肩書はいずれも攻撃当時。2人は少なくとも2022年10月10日から23年3月9日、ウクライナの発電所に対するミサイル攻撃に関連し、民間施設への攻撃を指示したり、軍の管理を適切に行わなかったりした疑いがある。

 ICCは「空爆によって発生する民間人や民間施設への被害は、軍事上の利益に対し明らかに過剰だった」とした。

 ウクライナメディアの「キー…

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この記事を書いた人
森岡みづほ
ヨーロッパ総局|北欧・NATO・ICC・ICJ・国連担当
専門・関心分野
人の暮らし、歴史、防衛
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    菅野志桜里
    (弁護士・国際人道プラットフォーム代表)
    2024年3月6日16時0分 投稿
    【解説】

    今回逮捕状を出したのも、昨年プーチンに対する逮捕状を出した第2予審裁判部。日本の赤根智子判事を含む3名の裁判官です。赤根判事は、昨年の逮捕状発布を契機にロシアで指名手配を受けていますが、(もちろん)そうした脅しには屈さず、国際法に基づいて粛

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    越智萌
    (立命館大学国際関係研究科准教授)
    2024年3月7日23時14分 投稿
    【視点】

    本件では戦争犯罪のほかに、「その他の非人道的な取扱い」による人道に対する犯罪としても訴追されていることが注目されます。 人道に対する犯罪は、文民たる住民に対する攻撃であり、国や組織の政策を推進するものです。 第二次大戦中について

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