千葉県東方沖で相次ぐ地震の謎 スロースリップと地震の連鎖とは?
千葉県東方沖で地震が相次いでいる。何が起きているのか。
千葉県東方沖では、2月26日の深夜から地震活動が活発になっており、断層がゆっくり動くスロースリップ(ゆっくりすべり)の影響で地震が起きたと考えられている。この場所では過去にも数年に一度、スロースリップを伴い、1週間~数カ月程度地震活動が活発になっていた。
東京大地震研究所の福田淳一准教授(測地学)は、このうち1996~2014年に発生した5回のスロースリップについて、すべった場所の広がり方や地震との関係について調べた。
その結果、過去5回ともすべる位置は東(沖合)→西(陸側)→南へと移り、その移動と合う形で、地震の震源が移動していたことがわかったという。
スロースリップそのものは地震波を出さないが、スロースリップによってまわりの力のバランスが変わり、地震が引き起こされると考えられる。
福田さんによると、スロースリップは国内外のプレート境界の多くの場所で観測されているという。だが、それに伴って人が感じるような地震(有感地震)が多発する場所は国内では千葉県東方沖のほかに知られておらず、世界的に見ても珍しいという。
たとえば南海トラフ沿いでは、スロースリップに伴ってわずかな地震波を放出する低周波地震・低周波微動が観測されることがあるが、有感地震にはなっていない。
なぜなのか。
考えられる理由の一つが、温…
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