佐々木凌

科学みらい部 | 宇宙担当
専門・関心分野宇宙、原発・エネルギー、災害・防災

現在の仕事・担当

宇宙航空研究開発機構(JAXA)をはじめ、宇宙分野の研究開発や宇宙政策の取材を中心に担当しています。宇宙は年々、生活との結びつきが強まっている分野です。また、米国のスペースXのような民間企業の存在感が増すなど、まさに日進月歩の世界です。サイエンスとしての側面はもちろん、政治との関わり、ビジネスなど幅広い側面から取材をしていきたいと思っています。

バックグラウンド

2018年に入社し、静岡総局、水戸総局を経て、22年の春に科学みらい部に着任しました。2年間、原子力規制委員会の取材を担当し、原発の運転期間延長を可能とする法改正や、東京電力柏崎刈羽原発の「運転禁止命令」の解除、日本原子力発電敦賀原発の活断層をめぐる審査などを取材しました。また、災害・防災も担当し、能登半島地震では、専門家の現地調査に同行して取材しました。
横浜出身で、DeNAベイスターズのファンです。大学時代は政治過程論や、ジャーナリズム論を学んでいました。

仕事で大切にしていること

私は文系出身で、もともと科学に詳しかったわけではありません。だからこそ文系の人でも分かりやすいような科学の記事を執筆し、研究者や専門家と読者との架け橋となるような仕事がしたいと思っています。
また、科学技術そのものだけでなく、それを社会がどう受け入れ、どう使うべきなのかという観点も大切に取材を進めたいと考えています。

タイムライン

記事を書きました

月に行ったら何をしたい?宇宙飛行士の米田さん、諏訪さんが語る思い

 宇宙航空研究開発機構(JAXA)の宇宙飛行士に認定された米田あゆさん(29)と諏訪理(まこと)さん(47)が24日、朝日新聞のインタビューに応じ、月への思いなどを語った。  ――お二人は米主導の有人月面探査「アルテミス計画」で、日本人で初めて月面に立つ可能性があります。率直に、月に行きたいですか。  米田「聞かれれば、もちろん行きたいという答えになります。ただ、道のりというのは簡単なものではなく、決して1人で行けるというのではない。いろいろな人との協力があって、チームで一丸となってめざすものだと強く感じているところです」  諏訪「月探査はいろいろなプロジェクトの延長線上にあって、日本の総力戦だと思うんですよね。自分が行くか行かないかは大きな問題ではない。やはり日本として、日本人がそこに立つという到達点に向けて一致団結して頑張っていくことが重要だと思います。それを生きているうちに見られるというのは、本当にワクワクすることだと思います」  ――先輩飛行士とは「誰が月に行くのだろう」というような話はしますか?  米田「全くしていないですが、日本が開発する月面探査車について、飛行士の目線で技術者と議論する機会では、『どんな探査車になるんだろうね』『これが走る月はどんなところなんだろうね』という話はします」  諏訪「誰が行くという話はしていないですが、先輩飛行士からは早く一人前になってくれという思いをひしひしと感じます」  ――月に行って何をしたいですか?  米田「できるだけ多くの人が滞在できるような生活環境を作りたいなと思いますね。なぜかというと、遠く離れた月で人が新しいコミュニティーをつくって、そのコミュニティーから地球というコミュニティーを見つめる時には、これまでとは全く違うアイデアが生まれてくると思うんです」  諏訪「科学を発展させていきたいというのがあります。私は地球科学を研究していたので、惑星科学や月の成り立ちなどに非常に興味があります。アポロ計画によって月科学は大きく進みましたが、調査できる範囲は限られていた。制約がなければ、いろんなところを歩き回りたいですし、縦穴にも入って人が住めるのか見てみたい。行かないとわからないことをたくさん調べてみたいです」  ――訓練では、先輩飛行士から多くのアドバイスを受けたと記者会見でおっしゃっていました。印象に残った言葉はありますか?  米田「訓練にどう取り組むかという姿勢です。訓練の序盤に若田(光一)飛行士から、『複数人で行う訓練であっても、自分がこのチームのリーダーだったらという意識を常に持ちなさい』という言葉をいただきました。リーダーだったらと考えると、全てを把握しなければいけない。自分がいてもいなくても訓練は進んでいくというのとは全く違うマインドになる。訓練効果やチームに対する貢献が非常に深まったと思います」  諏訪「特に、自分がうまくいかなかった経験をシェアしてくださったのが有益でした。今後の訓練で、そのアドバイスをどう自分の中で消化して挑んでいけるのか楽しみです」  ――宇宙飛行士の仕事は危険も伴います。宇宙に行く怖さを感じることはありますか。  米田「怖さはないです。人が大きく成長する時や大きなプラスを得る時には、リスクはつきものだと思っているからです。前職では医師として手術をしていましたが、必ず一定のリスクが伴います。それでも、良くするために手術をします。宇宙開発も同じで、人類として何か新しいものを得るためにはリスクはつきもので、挑戦していくことが大事だと思います」  諏訪「怖さの正体って『何か分からないこと』なのかな、という気がするんですよね。暗闇を歩いていて何か出てきたら、その瞬間は怖いけれど、友達がおどかしただけかもしれない。熊だったら怖いですけど(笑)」  「宇宙開発では、分からない部分を克服するのが技術開発であり、訓練です。リスクをきちんと分析して、それに対処する訓練を積んでいくからこそ、安心して宇宙に行けると思います。不安よりもワクワクが勝るような気がしますね。ただ、実際宇宙船に乗り込んだ時にどう思うのかは、ちょっと楽しみですね」

3日前
月に行ったら何をしたい?宇宙飛行士の米田さん、諏訪さんが語る思い

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宇宙飛行士、米田さん諏訪さんが会見 子どもたちに「宇宙の魅力を」

 宇宙航空研究開発機構(JAXA)の宇宙飛行士に認定された米田あゆさん(29)と諏訪理(まこと)さん(47)が23日、東京都内で記者会見した。米田さんは「子どもたちに宇宙の魅力を伝えられる飛行士になりたい」、諏訪さんは「ほっとしている。宇宙開発が過渡期にある中で、適応しつつ貢献していきたい」と抱負を語った。  2人は昨年2月に飛行士候補に選ばれた。国際宇宙ステーション(ISS)での活動を想定したロボットアームの操縦技術訓練のほか、米国主導の月面有人探査「アルテミス計画」を見据えた地質学訓練などを受け、今月21日付で正式に認定された。  米田さんは約1年半の訓練について、「大変だったというより、楽しかったなという思いが最初に来る」と振り返る。特に小型飛行機の操縦訓練では「先輩飛行士のアドバイスも聞いて、1人で操縦できた時は達成感があった」と話した。  諏訪さんは、航空機を使った無重力体験訓練が最も印象に残ったという。「無重力になった瞬間に天井が急に床に感じた不思議な感覚が非常に面白くて、ISSではこの状態がずっと続いているのかと想像力をかき立てられた」と笑顔を見せた。  今後は、米航空宇宙局(NASA)のジョンソン宇宙センターを拠点として訓練を続け、宇宙飛行のミッションへの任命を待つ。日本人で初めて月面に立つ宇宙飛行士に選ばれる可能性もある。  月への思いについて、米田さんは「誰が行くことになるか分からないが、日本人宇宙飛行士のチームみんなで月に行くには何が必要かを考えたい」。諏訪さんも「自分にできることは何なのかを常に考えていきたい」と話した。  宇宙飛行士になる夢をかなえた2人は、子どもたちに伝えたいことについても語った。  米田さんは「どんなことにも勇気をもってチャレンジしてほしい。積み重なって自分の力や魅力になり、将来の夢に生きてくると思う」と話した。  諏訪さんは「夢中になれるものがある人は、それを大切にしてほしい。ない人は、無理せずいろいろなことをやってみて、焦らず見つけてほしい。それがきっと将来の役に立ちます」と述べた。

4日前
宇宙飛行士、米田さん諏訪さんが会見 子どもたちに「宇宙の魅力を」
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