日韓のフェミニズム襲うバックラッシュ それは「停滞」ではない

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聞き手・高重治香
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 一歩進むたびに逆風にさらされる、ジェンダー平等への道。日韓のフェミニズムが歩んできた歴史を突き合わせることで見えるものを、韓国の趙慶喜・聖公会大学副教授に聞きました。

ちょう・きょんひ 1973年生まれ。日本で育ち2004年に韓国へ。韓国の聖公会大学副教授(マイノリティー研究)。共著に「残余の声を聴く」など。

 日本と韓国のフェミニズムは、歴史的経験の違いによる表れ方の差はありますが、同時代的に進んできました。戦前から始まった日本のフェミニズムは、1970年代のウーマンリブを経て、学会設立などの制度化と大衆化が進みました。一方、韓国は植民地時代や独裁政権が長く、家父長制的な家族主義も日本以上に強いため、民主化闘争の中から女性の人権運動が立ち上がったのは80年代でした。

 冷戦後は女性に対する暴力が国際的な人権問題となっていきます。元日本軍慰安婦たちの証言は、その大きな契機となりました。95年の北京での世界女性会議には日韓からも大勢が参加し、その後、両国ではジェンダー平等に向けた取り組みや法制化が進みました。

 しかし90年代後半から、ま…

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男女格差が主要先進国で最下位の日本。この社会で生きにくさを感じているのは、女性だけではありません。性別に関係なく平等に機会があり、だれもが「ありのままの自分」で生きられる社会をめざして。ジェンダー〈社会的・文化的に作られた性差〉について、一緒に考えませんか。[もっと見る]