新年度の政府予算案が年度内に成立することになった。政権の最優先課題を何とかクリアした岸田文雄首相だが、その足腰はこれまでになく弱まっている。自民党派閥による裏金問題の実態解明を置き去りにし、党執行部の機能不全も深刻だ。逆風が強まり足もとがぬかるむ中、週明けから参院の予算案審議に首相はどう臨むのか。
2日の衆院予算委員会で質問に立った立憲民主党の馬淵澄夫氏は、岸田首相による政倫審出席を例に、首相の「特徴」をこう言った。「初っぱなで『火の玉』とか『先頭に立つ』とか勇ましい言葉を発するが、その後は全く無関心で放置。窮地に陥るとサプライズ。サプライズは問題解決にならない」
首相は「色々解説を頂いたが、指摘は当たらない」と応じたものの、自民の閣僚経験者も馬淵氏と同じ見方をする。「首相の決断は評価するが、その後は成り行き任せ。『必ず成し遂げる』『みんなついてこい』というエネルギーが足りない」
政倫審をめぐる混乱や異例の…
- 【視点】
自民党政権の運営における岸田総裁の孤立というなるほどの記事の締めで、石井与党キャップが衆院解散を求めていますが、解散できないから岸田総裁が孤立するという堂々巡りの悩ましさがあります。カードゲームで言えば、自民党総裁は解散権をふるえればオール
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