「トケマッチ」戻らぬ時計が世界的売買HPに 不明ブランド最多は

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編集委員・後藤洋平
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 1月末、高級腕時計のシェアリングサービス「トケマッチ」が突然終了した問題で、所有者が運営会社に預けていた時計が世界的な高級時計専門売買サイトでも出品されていたことがわかった。また、国内の中古時計店などでは同サービスに預けられたまま貸主に返却されていない時計のリストが共有され、該当する時計を買い取らないようにする取り組みなどが進んでいるという。この数年、一部の高級時計が「資産」ともてはやされるなか起きた騒動に業界が揺れている。

 ドイツ・カールスルーエに本社を置く世界最大の高級時計専門売買サイト「クロノ24」は、「トケマッチ」に関連する時計が出品されていたことを公表した。同サイトは世界中の時計業者と個人が登録して売買をしており、月間1千万人が訪れる。トップページでは「120カ国以上から時計が集結」とうたっているが、同社では「トケマッチ」の騒動に関連するとみられる時計の出品を把握した段階で即時掲載を停止するなどして対処したという。引き続き問い合わせのメール(support@chrono24.comメールする)で対応にあたるといい、「未返却時計の所有者には、問い合わせの際に時計のシリアルナンバーと所有を証明する書類をメールで送ってほしい」としている。

 大阪と東京で中古時計店を経営する寺田明史さんは、「以前から買い取りの際は、保証書の有無や購入場所などを売り主から聞き取っていたが、現在はより厳格にするようになった」と話す。仕入れのために業者だけが参加できるオークションは多数ある。寺田さんがこうしたオークションを行う会社の一つに、トケマッチ関連の商品を落札してしまった場合の補償の有無を問い合わせると、「現時点では自己責任になる」と言われたという。寺田さんは「どうしても慎重にならざるを得ない」と話す。

 2次流通業者間ではトケマッチ関連とされる350本超の未返却時計のモデルと製造番号などが記載されたリストの共有が進められているという。ただ、寺田さんは「掲載されている時計は、返却されていないもののうち一部に過ぎないと聞いている」という。

ロレックス、パテック、AP…「未返却リスト」に掲載のモデルは

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