経済安保の身辺調査「法案審議こじれる」 政府の狙いと専門家の懸念

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目黒隆行 冨名腰隆 青田秀樹 聞き手・目黒隆行
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 岸田政権は、広く民間人も対象に経済安全保障上の重要情報を扱う人の身辺を事前に調べる「セキュリティークリアランス(適性評価)制度」を導入する法案を国会に提出した。ビジネスの拡大を期待する財界は歓迎ムードだが、プライバシー上の懸念も尽きない。同様の制度を導入済みの欧米では、機密の漏洩(ろうえい)問題が起きる一方、市民の権利侵害との兼ね合いが論争を呼んでいる。

 新たな制度の旗を振ってきた高市早苗経済安保相は27日の閣議後会見で強調した。「同志国、友好国と同じ水準の制度を持つことで信頼してもらい、経済や科学技術に関する情報を政府間で交換できる。そういう環境を一刻も早くつくらないといけない」

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 高市氏は制度の推進にあたって、秘匿性の高い情報の漏洩を防ぐ特定秘密保護法を整備した故・安倍晋三元首相の名をしばしば引用。「私に対する安倍総理からの宿題」とも語ってきた。

秘密とは?「線引き難しい」

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