2千回超す核実験で広がる被害 ビキニ水爆実験70年、広島で集会
編集委員・副島英樹
米国が太平洋・マーシャル諸島のビキニ環礁で水爆実験をし、マグロ漁船「第五福竜丸」が被曝(ひばく)してからまもなく70年。広島市内で23日、「被災70年3・1ビキニデー広島集会」(広島県原水協主催)が開かれた。第五福竜丸平和協会専務理事の安田和也さん(71)が、世界に広がる核被害の実態を語った。
1954年3月1日のビキニ実験では1千隻近い日本の漁船も被害を受けており、安田さんは「第五福竜丸事件ではなくビキニ事件と私は呼びます」と述べた。被曝半年後に40歳で亡くなった無線長の久保山愛吉さんの「原水爆の被害者は私を最後にしてほしい」という言葉を紹介した。
さらに、甲状腺障害で背が伸びない子どもなどマーシャル諸島の住民の健康被害、強制移住や不十分な補償など核のもたらす影響を説明した。
米国の核実験に伴う兵士や風下住民の被曝など米国人の被害のほか、ソ連(ロシア)や中国、英仏の実験による被害にも言及。「核実験で2063回も核兵器を爆発させている。地球の将来にどんな影響を与えるのかを考え、苦しみを負った人たちの声を広げることが大事です」と強調した。(編集委員・副島英樹)