キオクシア・WD統合交渉、破談の裏で 日米韓「SKに血眼の説得」
田中奏子
キオクシア・WD 崩れたシナリオ:上
昨年10月にいったん破談となった、半導体メモリー大手キオクシアホールディングスと米ウエスタンデジタル(WD)の同事業との経営統合交渉。その背景には、キオクシアに間接的に出資する韓国の同業大手・SKハイニックスの反対があった。
今年2月上旬、その親会社にあたるSKグループの崔泰源(チェテウォン)会長が来日した。韓国財閥界の大物だ。直前に来日を知らされた経済産業省は急いで面談を設定。国会会期中で対応できなかった斎藤健経産相に代わり、飯田祐二事務次官が対応した。
半導体は経済安全保障の重要物資だ。キオクシアとWDの統合を「日米連携の象徴」と掲げて後押しする経産省は、SKから賛意を引き出す糸口を見つけたいと考えていた。
ただ、崔会長は明確な反対の…