王毅氏が欧州歴訪で談話、連携に手応え 独首相らから引き出した言葉
中国の外交部門トップ、王毅(ワンイー)共産党政治局員兼外相がドイツ、スペイン、フランスの欧州3カ国への訪問を終えた。米国を中心とした安全保障の動きを「対中陣営作り」と警戒する中国は、欧州との協力関係を固めたい考えだ。ロシアのウクライナ侵攻2年を前にしたタイミングで、経済の安全保障や紛争解決の道筋をめぐり、米国との温度差も見せる欧州との連携に自信を深めている。
「昨年から中欧は全面的に各レベルの対話を再開しており、中欧関係は安定から上昇に向かう勢いを見せている」。16日からの欧州訪問を終えた王氏は21日、中国メディアの質問に答える形で振り返る談話を発表した。欧州との関係強化への手応えをにじませた。
期間中、王氏はマクロン仏大統領ら訪問先3カ国の首脳級や、欧州主要国の外相らと会談。ブリンケン米国務長官とも今年初めて会談し、「大国外交」を展開した。王氏が訪欧のため、ブラジルで21~22日にあった主要20カ国・地域(G20)外相会合を欠席したことも、中国の「欧州重視」を物語っている。今年は中国とフランスの国交正常化60周年にあたり、習近平(シーチンピン)国家主席が訪仏するとの観測もある。
21日の談話で王氏が強調したのは、中国との経済切り離しに対して「欧州各界がこぞって反対」したことだ。中国側の発表によると、訪問中に対談したドイツのショルツ首相や、欧州連合(EU)の外相にあたるボレル外交安全保障上級代表はいずれも「経済切り離しには反対する」と表明した。
欧州要人らから引き出した一言
米国などが経済の対中規制に…
- 【視点】
中国外交は旧正月のさなか、日本で言えば松の内に休まず働いた。王毅氏のG20@ブラジル欠席とあわせて、対欧州外交への力の入れようがうかがえます。 スペインではBSE(牛海綿状脳症)問題をきっかけに2000年以来の牛肉禁輸を解いた。理念より経
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