永瀬拓矢九段「努力の前借り」やめ、つかんだ初優勝 単独一問一答

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聞き手・北野新太 高津祐典

 第17回朝日杯将棋オープン戦(朝日新聞社主催)の準決勝・決勝が10日、東京都千代田区の有楽町朝日ホールで指され、永瀬拓矢九段(31)が初優勝を果たした。決勝で藤井聡太名人・竜王(21)=王位・叡王・王座・棋王・王将・棋聖と合わせ八冠=に勝利した永瀬九段が終局後、単独インタビューに応じた。一問一答は次の通り。

 ――どうしても聞きたいことを聞かせてください。準決勝が終わって決勝まで、40分しかなかったと思います。できるだけの準備をするとおっしゃっていましたが、準備の中身を教えて下さい。

 そうですね、準備とは……そうですね。(事前には)藤井―糸谷哲郎戦の勝ち上がりは分からないわけなので、(自身が勝って)決まってから詰めていくわけなんですけど、まあ、角換わりをするのが自然ではあったんですけど、矢倉をやってみたいところもあったので、それを詰めたという感じですね。

 ――王座戦では終盤に逆転されるという2局もあったかと思います。最終盤どんな思いで指されていたのでしょうか。

 そうですね。藤井さんは総合力が高いので、そんなに確実にリードを奪うのは難しいと思うので、少しリードを奪えて終盤を迎えることができたなら、それは及第点というか、うまくやったということになるとは思うんですけど、ただ藤井さんの終盤力を考慮すると、やっぱり僅差(きんさ)を勝ちきるのはとても難しいことだなというのは実感としてありますね。

 ――王座戦での自分を乗り越えた感覚は、この勝利でありますか。

 最近の実感として、王座戦の…

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この記事を書いた人
高津祐典
文化部次長|デジタル担当
専門・関心分野
囲碁、将棋、麻雀、文芸、論壇、ファッション