視覚障害者の投票に補助具、掛川市職員が手作り

斉藤智子

 静岡県掛川市選挙管理委員会は視覚障害のある人が投票用紙に候補者名を記入するのをサポートするため、投票所に市職員手作りの補助具を備え付ける。「代理投票ではなく、自分で書いて投票したい」といった声に応え、より多くの人に投票してもらう試みだ。

 補助具は、厚みのあるプラスチック製のクリアファイルの一部を、投票用紙の記入欄と一致するようにくりぬき、テープで黒い枠をつけたもの。投票用紙を挟んで使い、記入欄が見えにくくても、くりぬき部分のおうとつやファイルと紙の触感の違いで記入部分がわかるようになっている。

 市選管によると、点字投票と代理投票が認められているが、病気やけがで視覚に障害を負った人は点字を使うのが困難な場合が少なくない。「(代理投票で候補者名を口頭で伝える際に)聞かれるのが嫌だ」「自分で書きたい」という声が寄せられており、神奈川県厚木市など県外の例を参考に導入を決めた。

 昨年12月に50個を手作りしており、次回選挙までに市内の投票所34カ所と期日前投票所3カ所に配備する予定。市選管の担当者は「ちゅうちょしないで、一人でも多くの方に投票してほしい」と話している。

 昨年4月の県議選掛川市選挙区では、有効投票4万2252票のうち、点字投票は2票、代理投票は21票だったという。

 厚木市選管によると、京都府舞鶴市の例を参考に昨年7月の市議選から導入し、他の自治体の選管から問い合わせが寄せられているという…

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