日本の最高裁は長く、違憲判断を出すのに消極的だと言われ続けてきました。これで「憲法の番人」を果たしてきたと言えるのでしょうか。憲法学者の佐々木くみ・東北学院大学教授に話を聞きました。
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日本の最高裁は違憲判断を出すのに消極的と言われてきました。しかし、違憲判断に消極的だからというだけで「憲法の番人」の役割を果たしていないと評価を下すことは早計です。
司法は「法の支配」を実現する機関です。権力者が恣意(しい)的に権力を振るう「人の支配」の反対の考え方といえます。ただ、「法の支配」といっても法を適用するのは裁判官で、裁判官による「人の支配」に陥る危険をはらんでいるのです。
象徴的なのが、2022年6…