沈む峡谷「150年に1度の大雨」の風景 熊本のダムで水ため試験

城戸康秀
【動画】試験湛水による満水が近づく立野ダム=加久雅之撮影
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 熊本県阿蘇地方で国土交通省が建設を進め、3月末に完成予定の立野ダムで試験湛水(たんすい)中だ。1月15日に始まり、阿蘇のカルデラから流れる水が削った立野峡谷に徐々に水がたまり、今月3日夜には最高水位を超えて高さ約90メートルのダム本体最上部から水があふれた。

 立野ダムは全国最大規模の洪水調節用流水型ダムで、普段は川の水をためずに下流へ流すのが特徴。試験湛水ではダム本体や周辺地盤の安全などを確認する。一部が水没する阿蘇北向谷原始林(国天然記念物)への影響も調べる。

 流水型ダムの歴史は浅く、効果や環境への影響などの評価が定まっていないと指摘する声もある。

 ダムの水があふれるのは150年に1度級の大雨が降った時とされ、関係者は「あふれるのは、これが最初で最後であってほしい」と願う。

 ダム事業は熊本市など下流域の水害を防ぐため1983年に着手された。総事業費は約1270億円。

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この記事を書いた人
城戸康秀
阿蘇支局長
専門・関心分野
地方自治と地方政治のあり方、災害と地域振興