届いたパン、食べていいのか? 発災後は情報が混乱 穴水町長に聞く
聞き手・西晃奈
被災首長に聞く ~能登半島地震から1カ月~
能登半島地震で、帰省中の人を含め20人が亡くなった石川県穴水町。人的被害では輪島市、珠洲市に次いで多く、吉村光輝町長(53)は「町政70年史上、最悪の事態」と話す。
――町の現状と復旧の見通しは。
電気は9割以上が復旧した。水道は町内の上水道契約戸数の4割、市街地エリアは1月中に復旧した。町の東側は漏水箇所を随時修繕しており、2月中には復旧したい。
――応急仮設住宅について、申し込みに対して着工戸数が少ないという住民の声がある。
申し込みが460戸を上回るのに対し、着工は76戸と足りていないことは承知している。県とも協議していて、少なくとも500戸は必要と共有している。
県から必要な情報届かず
――1月6日からSNSでの発信を始めた。情報伝達も難しかったか。
かなり混乱していた。発災当初、携帯電話の基地局のバッテリーが数日しかもたず、サーバーがダウンし、町民に情報を届けるすべがなかった。県との連絡も取りづらく、ウェブ上での災害対策本部員会議にも数回、参加できなかった。
記事後半では、今後の町のあり方、求める支援などについて聞きました。
県から必要な情報も届かなか…