「性被害を自分ごとに」 ジャニーズ被害当事者が始めた学生との対話

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島崎周

 未来の子どもたちが性被害に遭わないような世の中をつくっていきたい――。旧ジャニーズ事務所(SMILE―UP.)の創業者、故ジャニー喜多川氏から性被害を受けていたと告白した被害当事者たちが、そんな思いを胸に新しい活動を始めている。

 東京都豊島区の立教大で1月18日、「ジェンダーの社会学」の授業があった。学生約250人の前に立ったのは、元ジャニーズJr.で喜多川氏からの性被害を実名で告白した中村一也さん(36)と飯田恭平さん(36)、長渡康二さん(40)の3人。同大の非常勤講師で、ジェンダーや社会学が専門の熱田敬子さんと対話する形で、性被害に遭った時のこと、告発した理由などを話した。

 飯田さんが初めて被害に遭ったのは13歳の時。性被害だと認識できず、家族にも言えなかったという。今回の告発について「初めて周囲に言うことができて救われた思いがした。間違っていることは間違っていると声をあげていいと、伝えられた」と話した。

 中村さんは、被害を打ち明けた母親に「訴えようか?」と言われたが、当時は周りに知られたくないと思い、何もしなかったと明かした。長渡さんは、告発後に想定以上の誹謗(ひぼう)中傷があったといい「日本は性被害について軽く考えている。被害者がどれだけ苦しむのか考えてほしい。声をあげやすい空気が日本全体に広まれば」と語った。

 他大学から聴講に来ていた3…

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この記事を書いた人
島崎周
東京社会部|文部科学省担当
専門・関心分野
性暴力、性教育、被害と加害、宗教、学び、人権
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