65医療機関でマイナ保険証トラブル 大分県保険医協会のアンケート

神崎卓征
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 県保険医協会が県内の医師や歯科医師を対象に、マイナンバーカードと保険証を組み合わせた「マイナ保険証」の使用でトラブルが無かったか調べたところ、65件の医療機関から何らかの問題が発生したという回答があった。25日、県庁で記者会見し、明らかにした。

 県保険医協会は県内の585件の医療機関に、昨年10月1日以降のマイナ保険証に関するトラブルについてファクスで問い合わせ、117件から回答を得た。このうち55・5%にあたる65件から「何らかのトラブルが発生した」という回答があった。

 トラブルのうち最も多かったのは「名前や住所の文字が『●』で表示される」というもの。「﨑」や「髙」といった文字が表示できなかった結果とみられ、45件あった。他に「資格情報が無効となる」ケースと、「カードリーダーでエラーが出る」トラブルが各25件。「該当の被保険者番号がない」(13件)や「名前や住所の間違い」(9件)もあった。

 国は現行の保険証は12月2日で終了し、マイナ保険証を基本とする仕組みに移行するとしている。現行保険証の廃止後の受付での業務については、回答した117件の医療機関のうち66件が「今も混乱しており、廃止後は業務に忙殺される」と予想。41件が「診察の待ち時間が長くなる」とみており、スタッフの増員を検討せざるを得ないとする医療機関もあった。

 91件が「現行の保険証を残すべきだ」、16件が「廃止を延期すべきだ」とし、マイナ保険証への移行に反対の考えを示した。

 会見した医師からは、「医療のデジタル化に一概に反対するものではないが、お年寄りが利用することや、大災害時に停電したり、光ケーブルが切断され通信ができなくなったりした状況でも使えるのか、検証が必要だ」などの意見が出た。(神崎卓征)

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