朝鮮人追悼碑、群馬県が29日から撤去 「加害の歴史消す行為」の声
群馬県高崎市の県立公園「群馬の森」にある朝鮮人の追悼碑を、県が29日から行政代執行で撤去する。設置条件に反したことが理由だが、碑を所有する市民団体は「撤去すれば、植民地時代の加害の歴史を消す行為に県が加担してしまう」と強く反発している。
碑は、戦時中に軍需工場や鉱山などへ労務動員されて亡くなった植民地支配下の朝鮮人を悼む目的で、市民団体「『記憶 反省 そして友好』の追悼碑を守る会」の前身の団体が、2004年4月に570万円かけて建てた。直径約7メートルある円状のコンクリートの土台に、碑と高さ4メートルほどの金色のモニュメントをそなえている。
碑のある公園にはかつて、旧日本陸軍の火薬製造所があった。碑の建立は当時、県議会が全会一致で賛同し、県が場所を提供した。設置には「宗教的・政治的な行事をしない」との条件がついた。設置許可は10年間で、14年に再度、県に許可を得る必要があった。
碑文は、戦後50年の村山談話(1995年)や日朝平壌宣言(02年)などをふまえ、外務省や県と調整を重ねて決めた。当初案にあった「強制連行」との記述は「労務動員」に変えた。
県「政治的行事あった」 設置を不許可に
ところが、朝鮮人追悼碑を疑問視する団体「日本女性の会 そよ風」が12年ごろから、「反日的だ」と主張し始めた。碑の前で行った追悼式で「強制連行の事実を訴え、正しい歴史認識を持てるようにしたい」などと発言した人がいたことを問題視し、「政治的な行事をしている」との街宣・抗議活動が活発になった。守る会は13年から追悼式を別の場所に移した。
14年に県は、05、06…
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