末期がん患者「自分は桐島聡だ」 爆破事件から半世紀、突然の告白
神奈川県の病院に入院中の男が突然、1970年代に起きた連続企業爆破事件の容疑者を名乗った。警視庁は事情を聴き、身元の確認を進めているが、特定されれば事件から49年ぶりとなる。半世紀の空白は今後の捜査で埋まるのだろうか。
偽名を使用 警視庁が身元確認へ
「自分は桐島聡だ」
捜査関係者によると、男が突如、入院先でそう言ったのは25日だった。病院は神奈川県警に通報し、その日のうちに警視庁に連絡がきた。警視庁公安部は病院に捜査員を派遣した。
桐島聡容疑者(70)を名乗る男が入院したのは今年1月。偽名を使っていた。捜査関係者によると、自ら病院を訪れたわけではなく、体調を悪化させて病院に運ばれたとみられる。末期がんと診断され、重篤な状況という。
毎年11月の「指名手配被疑者捜査強化月間」などには、桐島容疑者とみられる男の情報なども寄せられていた。捜査幹部の一人は「捜査員がひとつひとつつぶしていく中で、今回は桐島である可能性が比較的高いとみられる」と話す。
警視庁は身元の確認を進める。一般的には、指紋やDNA型鑑定の手法を使う。警視庁はこの男について、桐島容疑者の親族を探すなどしてDNA型鑑定を試みる方向で、結果が出るまでには少なくとも数日間はかかる模様だ。
共犯者として国際手配されている大道寺あや子容疑者(75)らが海外逃亡したことにより、桐島容疑者の時効は停止されている。
■病院の担当者「患者について…