専門家「極めて深刻」と警鐘 昨年の自殺者数、2万1千人台続く
関根慎一
2023年の自殺者数は2万1818人(暫定値)で、前年の確定値より63人(0・3%)減った。減少は2年ぶりだが、3月公表の確定値で増える可能性がある。年間2万人を超える水準が続いている状況について、自殺対策に取り組む専門家は「極めて深刻」と警鐘を鳴らす。
厚生労働省が26日、警察庁の「自殺統計」に基づき、性別や年齢、職業別の分類や要因などを集計して公表した。
自殺者の総数は03年の3万4427人をピークに減少傾向にあり、19年は2万169人まで減った。だがコロナ禍が本格化した20年以降は2万1千人台が続き、23年も同水準となった。
男性の自殺は2年連続で増加して1万4854人。前年より108人増えた。厚労省自殺対策推進室は、「30~60代の有職者で、生活苦や事業不振による自殺が増えている」と分析する。女性は前年より171人少ない6964人だった。減少は4年ぶり。
「1日平均約60人が自殺で亡くなっている計算」
一方、小中高生の自殺は50…